トゥクトゥク、リクシャ、はたまた長距離を徒歩。旅先の細かな移動をどうするかは、旅人にとって必須の課題だ。ここミャンマーではタクシーは、ピックアップといい、これは主に空港など1時間以上の移動の際に使い、あとは普通のバイクが主流。目を合わせると「モーターバイク、モーターバイク!」とぎらぎらとした目で訴えかけてくる。外国人は上客だから相手も必死なのだ。
値段交渉は、最初に提示される額の半額程度で落ち着く事がほとんどで、割と安くすむ。ふっかけてくるものの結局は、優しいミャンマー人は、こちらの要望をのんでくれる。
今回、マンダレーの中心街から瞑想センターまでは、15キロ程離れたところにあり、同じ宿に泊まっていた修行参加者のルーマニア人とピックアップをシェアする。
12:00に宿をたって、途中迷いながらも13:00過ぎにセンターにつき、簡単な申込書みたいなものにサインをし、各々挨拶を交わす。センターは、小高い丘の下にあり、とても静かなところにあった。つい先ほどまでの都会の騒がしさが嘘のように静かだった。
食堂を通り、物置のようなところでシーツや布団の類を渡された。どれもペラペラでクッション性は皆無だが、概ね清潔。トイレットペーパーも一つ頂く。
部屋へと案内された。ドミではなく、個人部屋。一軒家のような建物がいくつかあり、その中に四つの部屋があり、それぞれに一人ずつ収容される。シャワーはなく、代わりに蛇口がついてるだけなので、毎夕方のtea breakの時間水浴びをしていた。Hot water とあるのだが、そこまで温かくもなく、また強烈な臭いがするので、使用するのはやめておいた。蚊帳もついていて概ね過ごしやすい。
15:30から事前の説明があるようで、結局のところかなり余裕をもって到着した模様。持って来た荷物から衣類のみをひっぱりだし、その他のものを全て貴重品と預ける。この衣類以外のものを全て預けるのは、重要なルールなのだが、特に厳しい取り締りがあるわけではない。そのルールを破って、何かを持ち込むことだって可能ではある。薬や、持って来たノートなどを持ち込んでしまおうかと逡巡するが、迷いを断ち切り、衣類以外のすべてを預けた。
最後に迷った時に大切にしている一つのコピーを音読した。
『遠い灯として』
遠い灯として
真っ暗な道を行く時にも
遥か遠くに村の灯火が見えたら
勇気をもって
一歩一歩を踏み出して行ける。
詳しそうだったり
大事そうだったりする地図よりも
遠くの灯火のほうが
人を力づけられるものだ
「ここに人がいます。」
「ここまではこられますよ。」
「ここは悪くないよ。」
そんな声が灯の下に聞こえてくる。
まずはあの村の灯まで歩いていこう
あの灯から目をそらさずに
ここからさきは頼れるものは何もない。ただ、己の中わずかにある灯から目をそらさずに新しい明日に向かって行くしかないのだ。
いよいよ、聖なる沈黙(noble silence)が始まった。



